2011年3月8日火曜日

リーフでドライブ

お久しぶりです。すっかり更新も滞り気味で…っていうか、
今年初の記事ですね…実はこの間、ツイッターで日産リーフの
レンタル権が当たったので、早速試してきました!
リーフの電気自動車としての特徴はこの間の記事で結構語ったので
今回はあくまで普通のクルマとして使ってみてどうなのか?
に重点をおいて見ていきたいと思います。

埼玉で乗ったときはせいぜい400mくらいのコースを2周する程度だったのですが、今度はしっかり走ってきましたよ。やっぱり隣に関係者が乗っていないと気軽に運転出来るものですね(笑)。
<まず、乗り込んで…>
パンフを読んでみると航続可能距離は最大で200km!急速充電10分で80%!これを頭に入れつつ、乗り込んでみると、航続可能距離の表示は180km強で走るほどにこの数字があっという間に減っていくのなんの…そりゃ走れば無くなるものですが、明らかに走った距離より減りが早い。カーウイングスことエイミーwが常に先の渋滞を読んでベストなルートを教えてくれるのですが、それでもすぐに無くなります。恐らく直近の運転の仕方で航続距離を算出しているらしいので、充電量が多ければ多いほど距離数の変動が多いようでした。
<思いのほか上手く行かない急速充電>
一度電池残量1/3の状態でディーラー充電をしました。メーターに予定充電所要時間が目安として表示されているのですが、これが全く当てにならない…10分という表示でお店に持っていくと30分かかりますと言われ(それでも、まぁこれは想定内)、お茶を飲んで30分休憩させてもらった後、リーフに戻ってメーターを覗くと電池残量が2/3くらいになっているという感じ。携帯電話と同じ電池でも携帯電話のようにはいきませんでした。それでもその後の運転の仕方次第でコロコロ変わるものなので厳密な残量というより、あくまで目安といったところなのでしょう。こいつが結構、過少申告で榛名山を登ると110km飛んで、それを下ると60km回収でき、力学的エネルギー保存則を体で感じる事が出来ました。それでも全体的に様子を見ていて、起伏の激しくない道をエコドライブで騙し騙し走れば結構走ってくれるような気がしました。
気に入らないのはディーラーによっては急速充電1回で525円もかかる店もあるということ。せいぜい200円分の電気ぐらいしか充電出来ないクセに倍以上とろうとはふざけた話。気に入らないので名前を載せておくと、「日産プリンス群馬販売株式会社前橋店」ちなみに僕が充電したのは前橋にもう一つ存在する急速充電器を持つディーラーで、タダで充電してもらえました。
<アクセルもブレーキもふんわりで>
内燃機関のエコドライブといえば、アクセルワークが重要でとにかく過大なアクセルワークはムダな燃料を喰う事になってしまう。そして、ブレーキは運動エネルギーを熱に換えるわけだから極力つかわず、言うなれば惰性を活用するような走り方を心がけなければならないというものです。
しかし、電気自動車の場合、回生ブレーキでエネルギーを回収することができる。なので、むしろ積極的にブレーキを踏むこと(=回生)がむしろエコだったりもする。コレがEVの面白い所で内燃機関車とは勝手が違うところ。ペダルの操作には変わりがないのですが、至って自然に回生ブレーキが介入しているらしいのです。なので、ふんわりとブレーキを踏み、コーナーを急ブレーキで進入するなどという事をしないように心がけて走れば回生エネルギー量がより多くできるのでしょう。このコツを掴むと、運転の中でエネルギーを拾えるという内燃機関では得られない面白さが生まれてきます。おそらくこれが電気自動車の一番のポイントでしょう。
<パフォーマンス>
とにかく加速力!それに尽きます。床まで踏むとジェットコースターの「うっ…」となるあの急加速にも似た瞬発力を継ぎ目無く体感出来ます。冗談抜きで1,2,3,ハイッ!って感じで停車から60km/hまで到達出来ます。
そして、速度が速まれば早まるほど、コーナーがタイトになればなるほど、一番の重量を占めているであろうバッテリーが床下に格納されている事の恩恵を享受できます。いつも背の高いミニバンに乗っていることもあってか、蛇行させると(もちろん安全な場所でですよ)いつもと違う趣のクルマの挙動に重心の低さを感じることができるのです。1500kg強のリーフで一番の重量を占めているであろうバッテリー(ゴルフと同クラスと考えれば300kgぐらいかな?)が床下にあるので思いのほかロールしないのにはちょっと驚きました。
雪面も走ったのですが、標準装備のVDCがしっかり車両をコントロールしてくれるので、なんの問題も無く走ってくれます。そろそろ、ABSのように当たり前のような装備になってもらいたいんですがねぇ〜。
ステアリングも至ってスムース。使ってみると普通のクルマのステアリングと違う雰囲気はあります。若干復元力に欠ける部分があるような気もしましたが、常に軽やかに扱う事ができます。
そして何より、静粛性。オーディオを切ると同乗者と気まずくなるくらいの静寂が訪れますw。走っている時に静かなのはもはや当然といったところですが、意外に停車時に無音だと一瞬だけエンストか?が頭を過りますw。この静粛性がドライバーの音で速度を読む感覚に反してくるのでこのクルマの不思議さに繋がっていくのでしょう。低速域では車外に対し音を出して歩行者に接近を知らせるらしいですが、クルマがガンガン走る道では殆どわからないくらいのものでした。
<デザイン>
前にも触れましたが、先進的に見せる事(=ある意味でのワクワク感の演出)が逆に従来と違う事からの使いづらさに繋がっているのが残念ですね。寝かせたピラーによる圧迫感、独特の操作系、後方視界の悪さはEVだから許されるということではありません。コレはEVとしてというより一商品としてユーザーにとって使い易いデザインを追求するべきデザイナーの仕事がまるでなっていないということでしょう。大した航続距離は無いんだから、空気抵抗なんてそんなに気にしなくたって良いんじゃない?
インテリアに関してははっきり言って機能的だと感心させられる所はほとんど無かった。太陽光を反射させて運転の邪魔をするナビ周りが気に入らなかった。シートが毛羽立った生地しか無いのも気に入らなかった。ホンダ方式のメーターも気に入らない。これは特に声を大にして言いたい!キャノピー自体が2つもあって一度に色んな事を表示し過ぎています。運転をしようとすると目線をナビ、メーター、メーター、フロントスクリーンで疲れてしまいます。速度計とナビの矢印をHUDで表示するとか、もう少し簡潔で明瞭な表示であるべきでしょう。ナビもあれだけインターフェイスにこだわっていた日産にしては不始末なものを純正として設定したなと思います。クルマがクルマなのでナビはこれしか選べません。もう少し使う人の事を考えたデザインであるべきだと思いました。
あと、個人的にはテレスコピックぐらいつけて欲しかったですね。
<提案>
まず、ECOモードの存在。はっきり言ってECOモードは何の不足もありません。こいつで航続距離が伸びるなら、喜んでいれますよ!って感じでした。Dレンジの後に入れるとエンブレ…じゃなかった、回生の存在感に気づきますが、ガソリンエンジンのクルマより全然ビュンビュン系です。常に入れておきたいくらい。だから、電源を入れる度に2回シフト操作してやらなければならないのが面倒くさい。別のスイッチか何かでよりエコドライブ寄りに設定したECOモードでも良いくらいでした。できれば、ATのLレンジのようにドライバー感覚ではエンブレで、車両としてはそのレンジに入ったら、エンブレくらいの抵抗がかかる回生するといった格好の方が乗り換えたときに感覚として馴染み易いかと思いました。
それから、航続可能距離から充電無しで行ける場所を表示してくれるナビの機能ももう少し気を使ってもらいたい。EVは道路の勾配に影響を受けるので2次元的な距離だけでなく勾配の少ない道を選ばせるとか、どの充電ステーションを使う事が一番効率的なルート選択なのか?を含めてルート案内して欲しいですね。少なくともリーフはカーウイングスが標準なのでEV同士が通信してどの充電ステーションが混んでいるか?とか空きがあるとか?そういう情報交換もやってもらって、少しでも充電に手間がかからないようにしてもらいたいです。
当然ながら暖房はガソリン車のようにすぐには立ち上がってくれません。それでも、天気がよければ、例え冬でも、日の光で暖かくなるものです。しかし、足先が寒くて寒くて仕方が無かった…エアコンでロスされるエネルギーを考えると湯たんぽやカイロじゃないけど、足元を温めてくれるグッズなんかあったらいいな〜なんて思いましたね。エアコンつけなければ航続距離も伸ばせるし。
<結論>
早急に電化を進めなければならないのであればPHVという選択もあるのでしょうが、PHVを選ぶくらいならレンジエクステンダーで、レンジエクステンダーを選ぶくらいなら、効率の良い内燃機関を積んだエンジン車の方がまだ効率的かなといったところだと思います。それでも、ニュースで見る国際情勢を考えると石油という価格変動の激しい資源で走るクルマよりは電気の方がコストはもちろんの事、安定した供給を得られるという意味でも安心感があります。
そして、石油という燃料の偉大さを痛感しましたwあの液体数ℓで1日の移動が賄えるだけのエネルギーを持っていることはスゴい事なんだな〜って思います。それだけに日々の運転もエコを心がけようと思いましたね。

日産リーフはやっぱり現実的なクルマとして十分成立しうるものでした。僕のクルマの日々の使い方であるタイトな時間設定で長距離を走ったり、山を登ったりにはちょっと難はありますが、一般的なクルマの使われ方でまず不便はないでしょう。日常は2,3人乗りのEV、遠出や旅行はレンタカーという考え方が定着していくのかもしれないなと思いました。それでも、やはりユーザーがクルマの為に割かなければならない時間や労働が多くなっていて、今までのクルマと同じように使うにはインフラ整備がまだまだだと思いました。一番のコストであるバッテリーを沢山積めば値段も重量も増すし、充電ステーションをそこら中に乱立させることが良い事なのかというのも疑問が残ります。なので、その辺のバランスも重要になっていくでしょう。
しかし、一番重要なのは使い方。「何を使うかではなく、どう使うかが重要だ。」とだれかがこんな事言ってましたねw。トップギアをご覧の方なら何のことだかわかると思います。どんなにエコだとしても使い方がなっていなければ何の意味もありません。ガソリンだろうが、電気だろうが、エネルギー効率の良い運転を心がける事こそが今すぐ出来るエコロジーであり、エコノミーであるのです。そして、日産にはそのために必要な工夫や装備を惜しまないでもらいたいものですね。

7 件のコメント:

  1. 航続距離は日進月歩でよくなってますが、やはり問題はインフラ整備ですね。
    「急速充電1回で525円」っていうのは、一回の給油代と比べれば確かにリーズナブルですが、他の場所では無料、という状況を考えると「何がしたいんだろう?」と思ってしまいます。もっと賢い(ビジネスの)やり方はたくさんあると思うのですが・・・
    こういうところで、EVが普及していきづらい土壌(?)が垣間見れる気がします。

    返信削除
  2. keyitさん、コメントありがとうございます。
    日産はコストが1.2円/kmであることがリーフの売りの一つにしているようですが、525円で今回のような急速充電をした場合、せいぜいガソリン車の半分くらいのコストになってしまうので、EVのネガな部分を受け入れた上でコストパフォーマンスを享受しようと思っている人にはあまり歓迎出来ないことだと思います。充電器の方針もディーラーによってまちまちでやはりまだまだ考えなければならない余地が多そうでした。

    返信削除
  3. 移転前のブログでコメントさせていただきました、LATIOです。
    リーフのレンタル権が当選されたのですね、うらやましい!
    僕もツイッターで応募はしたのですが中々当選せず、待ちきれないので自分で借りて来ちゃいました。

    学生自動車評論家というブログタイトルの通り、分かりやすい素晴らしいレビューですね。

    急速充電の拠点に関しては、まだまだ改善をしていく必要がありそうです。
    料金にしても、お店に寄ってバラバラで、なかには無料の所まであるとは、ネット上で「無料充電スポット一覧」なんてのが出来てしまってもおかしくありません。
    充電代を商売にするか、それはこれからの問題かもしれませんが、少なくともディーラーでは一つのサービスとして、何かしらの方針を示すべきだと思います。

    返信削除
  4. LATIOさん、コメントありがとうございます。
    お久しぶりですね。
    当たったは当たったんですけど、保険代だけで4000円持ってかれて正直、ちょっと萎えましたw。まぁ有り難い事ではあるんですが…充電スポットは管轄しているオーナーによって扱いが違うんですよね。まだまだ整備が発展途上だからなのかもしれませんが、NEXCOの急速充電器なんかは事前に会員登録みたいなことをしなければならなかったりで、商売の仕方に統一感がまだ見出せない感じでした。僕が充電したディーラーは走行距離をひかえさせて欲しいと言ってきたので、データを取るという目的もあるようでしたよ。

    返信削除
  5.  たまたま無料で充電させてくれたところがあったから、料金を取るところを非難するのはお門違いです。本来対価を払うべきところを文句を言うとは、学生自動車評論家を名乗る資格はありません。営業所によってはまだよくわからないのでたまたま無料で充電させてくれただけです。すべてサービスを受けるときには対価を払うべきだと認識してください。学生割引はすべてに有効ではありません。あなたのような人からは学生割り増しを徴収すべきと考えます。本来は名乗るべきだと思いますが、逆恨みされてもいけませんので、匿名とします。

    返信削除
  6.  一つ言い忘れました。あなたは、コーヒーを飲むのに豆代と水代と燃料費だけから計算しますか。急速充電器は現在350万円します。何年でもとをとれると考えますか。525円でも良心的な価格だと考えます。安いことがすべてよいわけではありません。相応の対価を払うべきだということです。

    返信削除
  7. 本当にバカなヤツだよね。学生自動車評論家。

    返信削除